ダンスと配信で広がる世界——ダンサー・ももが届けたい温かな時間【スター発掘!Vol.4】
今回インタビューしたのは、現役で活躍中のコンテンポラリーダンサー・ももさん!
海外公演経験もありグローバルに活躍するももさんのダンサーとしての信念と、リスナーに寄り添う温かな視点。その魅力をたっぷりお届けします。
——ダンサーさんだとお聞きしましたが、どのような経歴なのでしょうか?

元々新体操をやっていたのですが、競技で点数のために技をこなしていくことよりも、もっと抽象的なものを身体で表現したいと思うようになり、コンテンポラリーダンスを始めました。10歳から新体操を約9年間、19歳からコンテンポラリーダンスに転向しているので、20年間、何らかの形で踊りに携わっています。
劇場の舞台公演に出演することが活動の軸ですが、ご縁がある時にはCMやMVなどのメディア媒体でも踊らせていただいています。最近では海外公演にも参加させていただく機会があり、台湾やシカゴ、韓国などで踊ってきました。演出や振付、公演企画なども手がけています。
——大活躍中のダンサーであるももさんが、配信を始めたきっかけは何でしょうか?
コンテンポラリーダンスって、まだまだ日本ではすごくマイナーなジャンルなんですよね。そこにずっと課題意識を抱えていて。ダンスの公演がある際に、客席が関係者で埋まってしまうケースが本当に多くいんです。出演者のお友だち、ダンスの評論家や先生…みたいな感じで。なんだかそれが、すごく閉じた世界に感じていたんです。「もっと色んな人にとって価値がある芸術のはずなのに、全然届くべき人に届いていない、もっと広まれば良いのに!」というもどかしさを感じていました。
そこで、3人のダンサー仲間でYouTubeを始める計画をしていたんです。ダンスについて話したりとか、ダンサーが普段どういう視点で社会を見ているか、みたいなことを話す長尺動画を出していこうという企画だったのですが……そのうちの1名が、今春に体調を崩してしまって。
「今まで出会ったことのない方にダンスについて発信したい」という欲求が私の中に残ったまま、その計画が頓挫しちゃったもので、どうしようかなと悩んでいた時に思いついたのがライブ配信でした。
——では、自らライバー事務所の門を叩いた形でしょうか?

いえ、実は最初はフリーライバーとして始めたんです。
元々2年前くらいに、ライバー事務所関係の知人にライバーやりませんかってお誘いいただき、Pocochaについて詳しく聞いていたことがあって。その時は結局やるに至らなかったのですが、そこでPocochaについて詳しく説明を聞いていたので記憶に残っていました。
今回はフリーライバーとしてやってみようかなと思って、フリーとして始めたのですが、配信を始めた後、さまざまなライバー事務所の方々からInstagramのDMにたくさん連絡が来て、「スタートダッシュが肝心です!」というメッセージをいただいていたので、じゃあ所属も早い方が良いかしら、ということでそれぞれから条件を伺いまして、その中で一番条件が良かった、321さんに所属する運びとなりました。初配信の翌日のことです。
初配信終えて、所属後、「初配信の時が一番リスナーが集まりやすいから、その時にフォロワーさん100人集められないと厳しいです」と言われたんです。だけど私、初配信は60人ほどのタイミングで切ってしまっていて…! これはスタートダッシュつまずいたなと。一からやり直した方が良いのかな? と悶々としながらも何とかそのまま続けていたら、有難いことに少しずつお仲間が増えてきて今に至ります。
私の枠のリスナー様は色んな方がいらしていて、職種も国際色も豊かです。皆さまのお話を聞くのは本当に楽しい。海外からご覧になられている方もいらっしゃいますね。
——そんなに活躍されていて、配信スケジュールはどのように確保されているのですか?
ダンサーとしての主軸は失いたくないので、ダンスのリハーサルが入っている日をオフにしたり、おやすみチケットを使ったりして計画的にスケジューリングしています。基本的に、締め時間前の20〜22時は配信していることが多いです。最近だとそれ以外に1〜2時間を2セット配信し、計4〜6時間配信することが多いです。
会えるリスナー様が時間帯によって結構まちまちなので、なるべく色んな方にお会いできるように、短時間配信を色んな時間帯で行っています。昼にしかお会いできない方もいるし、反対に夜だけお会いできる方もいるんですよね。
休憩時間はなるべくしっかりとるようにしています。
実は以前一度、長く配信しすぎてしまったことがあって。終わり際にリスナー様が集まってきたので気を遣い終われずにいたら、配信中にお腹が痛くなってしまって。それ以来、集中力や配信の質も加味して、2時間以内におさめるよう調整しています。
スケジュールを組むこと自体は好きなので、日々の調整はあまり苦には感じていないです。むしろ、「この時間帯はきっと誰かに会えるだろうから、ここで頑張ろう!」とか、「ここでまとまった時間が取れるから、この日は休んでこの日は配信頑張る日にしよう!」というように、楽しみながらスケジュールを組んでいます。
——普段どんな配信をされていますか?

基本は雑談配信が多いのですが、月初にはダンスイベントとして、スタジオを確保してダンス配信をすることが多いです。
ただ、本業のダンスが忙しい時期は、なかなか思うように配信時間を取れないので、とにかく隙間時間にゲリラ配信をたくさんします。例えば韓国に1週間滞在していた期間は、スタジオの稽古風景や、街歩きVlog風など、とにかく隙あらば配信! 特に事前告知はせず、入ってこれる人だけ楽しめる特権みたいな感じで回していました。ダンサーの私生活紹介みたいで、リスナー様にも楽しんでいただけたと思います。
そうでない時期は、基本はデスク前に座ってお喋りしていることが多いです。
話の内容はその時枠にいる方によって大きく変わるのですが、基本的に私、それぞれの人がどんな行動原理で動いているのかに興味があって…。ある人が何かポロッと発したことに対して、「どういう気持ちでそれを行ったのか」とか「今までのどういう経験がその判断に基づいたのか」みたいな、人の核にある部分に触れるのが好きなんですよね。そういうものから自分もインスピレーションを受けるし、視点も広がる。そういうコミュニケーションが好きなんです。だから自分のことを話すより、リスナー様のお話を聞いている時間の方が長い日もあります。リスナー様からのダンスに関する質問に答える時もありますし、出た話題に対して自分も面白いエピソード持っている時は自分のことも話す、といったバランスで。自分に関することは、基本的に誰かの話を聞きながら開示していく、ということが多いかもしれません。
何かとダンスの話に繋げながら(笑)。たわいもない食事の話から、「実はダンサーも〜」なんて、急にダンサーの食生活の話を始めたり。そんな些細な面からでも、私を通して“コンテンポラリーダンス”とか“ダンス”という言葉自体に馴染み深くなってほしいなという思いがあります。もちろんまずは枠内のリスナー様を増やして、みんなで楽しく居心地よく過ごせる場所を作るのが第一ですが、その上で、みんなが「コンテンポラリーダンスって聞いたことある!」ぐらいにまで認識が育ってくれればくれたら嬉しいなと思っています。
実は、先日東京で開催した舞台に、リスナー様が何名か観にきてくださったんです。そういう繋がり増えてきていくのが本当に嬉しいです。各地に“ダンスファン”や“私ファン”が増えたら良いなと願いながら、日々の会話を楽しんでいます。
——配信していて悩むこと、また、逆に嬉しいと思うことはどんなことですか?
最近感じていることがあって…。私と同時期に配信を始めたライバー様たちが、よく枠に遊びに来てくださっていたのですが、その方々が今、一気に辞めていってしまっていて。同じ時期にスタートして、お互いに応援しあってきた仲だから、辞めていってしまうことにすごく寂しさがあります。ランクの大きな壁で「C帯越え」というところがあって、そこでみなさま苦労されていたり、配信時間が十分に確保できなかったり。やっぱりすごく寂しいです。
あとは、リスナー様の移り変わりが激しいので、配信を始めた3月からずっと通ってくださっている方もいれば、先月はすごく来てくださっていた方が、急に来なくなってしまったりということもあって……。「私自身は変わらずここに居るのになぁ」と思うと、ちょっと寂しさを感じることがありますね。
逆に嬉しいと思うことは特に2つあって。まず一つは、当初の目的でもある“ダンスに興味を持ってもらえた時”です。「インスタをフォローしました!」「舞台観に行きます!」とか「ダンスに興味が沸きました!」という言葉をいただけた時が、配信を始めた価値があったなと思えて、本当に嬉しいです。
もう一つは、人のことを深く知っていく過程が好きなので、リスナーさまの心情やご事情を、今までは深く聞けなかったけど、配信中にポロっと話してくれた時です。リスナー様がご自身の核に抱える思いを見せてくれた瞬間に、人知れず喜びを噛みしめています。「少し心を開いてくれたのかな」と思えて嬉しいです。
——配信以外の時間はどのように過ごされていますか? お休みってあるんでしょうか……

基本ダンスをしていることが多いです。なぜなら、ダンスがない日に配信を入れているからなんですけれど(笑)。基本、ダンスの本番やリハーサルが入っています。
あとは、実はちょうど配信を始めたのと同時期に、アートについて勉強がしたくて、美術館でのアルバイトを始めたんですよ。それからもう一つ、昨年アメリカに半年住んでいたんですけど、英語を使う環境を日本でも持ちたくて、インバウンド向けのお鮨屋さんでもアルバイトを始めました。だから配信をしていない時間は、ダンスのリハーサルか、美術館で作品の横に立っているか、お鮨屋さんで英語で外国人観光客と話しているか、という時間が多いです。
それもない本当にお休みの日は、目的のないショッピングに出かけてみたりとか、家やカフェで本を読んだりとかしていますね。本はオールジャンル読みますが、エッセイや論文よりは小説が好きです。やっぱり架空の物語にインスピレーションをもらうことが多いので。そこから作品の参考になるものを見つけることも度々あります。特に、身体感覚にまつわる文章を見つけた時なんかは、ウキウキしながら作品メモに加えますね。
——最後に、今後の目標は何ですか?

リスナー様も私と同じ人間なので、それぞれの生活があるということを忘れずにいたいです。無理してほしくないなと常々思っていて、リスナー様に負荷をかけるランク上げはしないと決めています。理想は、枠が育っていくと同時に応援したいと思ってくださる方が増えていって、自然とランクが上がっていくという姿。なので「B1」以上は維持したいなとは思っていますが、それ以上の無理なランク上げは考えていないです。
それよりも枠のみんなや雰囲気を大切にしたい、という想いが強いです。私の枠、本当に治安が良いことが誇りで。良識的で思いやりのある方が多いんですよね。
ダンスを広めたいという想いで配信を始めましたが、配信内容としてはダンスを押し付けたり、宣伝ばかりをしているわけではなくて。皆さん、日々人間やるのって疲れるじゃないですか。そういう方たちにホッと一息ついていただいて、「今日も自分生きていて偉かったな」と感じてもらえるような、そんな配信にしていきたいと思っています。
そんな中で初めましての方とたくさん出会って、ダンスに興味を持ってくださる方が一人ずつでも増えていけば、私が配信をやっている価値があるのかなと思えています。
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とてもリスナーさん思いのももさん。
明るくキラキラとお話しされる姿はとても魅力的で、これはリスナーさんも配信内でお話しするのは楽しいだろうなと感じました。
また、ダンス動画も拝見させていただきましたが、その実力は世界へ進出しているだけある、本当に素晴らしいものです……!
本格的なダンス配信と、ホッと一息つける癒しの配信が楽しめる、魅力たっぷりの枠。そんなももさんの配信に、ぜひ遊びにいってみてくださいね♪

もも🦩
現役プロダンサーの雑談枠🦩シェアハウスの共有ラウンジのように、みんなが日常のささやかなトピックを持ち寄って語り合える、豊かな憩い場をつくるため奮闘中!

































































